Support for Childcare
and Nursing Care

当科における女性医師の活躍

女性医師の活躍を支援します

内分泌代謝・糖尿病内科は女性医師の多い診療科です。内分泌・代謝疾患では、各疾患の救急〜初期対応、病態の理解、慢性期の管理など多くの症例を経験することが必要です。一人ひとりのワーク・ライフバランスの中で多くの症例を経験して行くための女性医師支援体制を病院全体の取り組み、診療グループ内の密なコミュニケーションに基づいて、一人ひとりの意向を尊重した研修システムの提案をしています。後期研修内容や、研修終了後のキャリアアップに関しても、きめ細やかに対応しています。

当院全体での女性支援体制

  • 教育センター専任教員がキャリア支援
  • 産休の有給化
  • 研修中の出産・育児に対して女性医師支援システム(週30時間)を使用し、同一期間で専門医取得可能
  • 大学病院内の保育所も利用可能(附属病院勤務の期間)

病児・病後児保育

  • 大学病院内に小規模保育室を設置し、ベビーシッターと契約
  • 発熱時などに即日対応可
  • 普段どの保育園に通っていても受け入れ可能(両親のどちらかが附属病院勤務である事が条件)

筑波大学附属病院女性医師キャリアアップ支援システム

当科で活躍する女性医師の声

菅野 洋子 先生

病院講師
2002年入局

私は現在筑波大学附属病の病院講師として勤務しています。子供は16歳、11歳、7歳になりました。

臨床研修医の2年間各内科をローテーションし、どの科を選択するかを決める際の面談で「代謝内科の診療はさまざまな人生経験自体を診療へ活かすことができ、年を取ってより深みをますことが出来るよ。」と言われました。当時はどういうことなのか実感は出来なかったものの、仕事と家庭との両立を考えた時に、出産・育児の期間が仕事にとってマイナスになりにくい方が自分のライフスタイルには合っているのではないか?と思い入局しました。入局後すぐに転居のための異動が必要となった時や、第一子出産後の育児期間に当院でレジデント研修を開始する時など、その時々の家庭の状況に応じて最適な研修が出来る様に常に相談をさせていただきました。育児との両立を続ける中で私の勤務時間にどうしても制限があるものの、同僚や研修医、当時の上司に仕事の内容を調整してもらいながら、6年間でレジデントとしての研修を修了することができました。レジデント研修の修了後は、女性医師支援枠を利用して時短勤務を続けながら、当科の診療に関連した甲状腺エコー、頸動脈エコー、心肺運動負荷試験等の研修を受けました。大学病院の診療では、様々な内分泌疾患や、持続血糖測定器・インスリンポンプなどの高度なデバイスを用いた1型糖尿病の診療、妊娠糖尿病や糖尿病合併妊娠の診療など、専門性の高い臨床経験を数多く積むことができました。自分の興味を深めながら、同時に診療の足りない部分を補うことのできる体制を作って頂き、本当に感謝しています。その後は病院講師として勤務を継続する中で、内科専門医、糖尿病専門医、内分泌代謝科専門医などの必要な資格を取得することができました。

20年間医師としての仕事を続ける中で、色々な働き方があり、仕事への関わり方は人それぞれであることを実感してきました。自分に合った働き方を模索していく中で、「診療も研究もやりたい」という自分の希望を親身にサポートして下さり、また同時に様々なチャンスを与えていただいた当科の体制は、自分にとって本当にありがたいものでした。ここまで多様なニーズに応えつつサポートしてくれる科はなかなかないのでは?と思います。糖尿病の診療自体に、患者さんに寄り添うことが必要な部分がありますが、当科には「人に寄り添うこと」ができる先生が多くいらっしゃいます。今後も、年を取ってより深みを増すことの出来るような診療を目指して、研鑽を積みたいと思っています。

松本 なこ 先生

チーフレジデント
2018年入局

私は2016年に筑波大学を卒業後、筑波大学附属病院で初期研修を行い、1年目の終わり頃に代謝内科入局を決めました。実は元々糖尿病診療には苦手意識を持っていたのですが、ローテート中に様々な糖尿病患者さんと出会い、個々にあわせた治療方針を考えることの面白さ、未来の疾病発症を予防することの重要性に気付き、入局を即決しました。現在は2歳の娘を育てながら、女性医師支援枠を用いて研修を行っています。

初期研修医の頃は、正直自分が今のような研修生活を送ることになるとは全く思っていませんでした。子供が欲しいという希望はありましたが、何の問題もなく妊娠・出産して復職し、男性医師と変わらない研修ができるものと信じていました。後期研修1年目で妊娠したのですが、妊娠中の思わぬアクシデントにより突然の休職と療養が必要となり、苦しい期間が続きました。幸い無事に出産しましたが、落ち込んだ体力と育児の大変さに直面し、到底自分には育児と仕事の両立は無理だと思ってしまう程でした。

しかし、突然の休職の際にも、また復職にあたっても、周囲の代謝内科の先生方に支えていただき、何とか仕事に戻ることができました。医師に関わらず、世の中の多くの女性が出産を機にキャリアを諦める傾向にある中、このように支援体制が整っているのは素晴らしいことだと思います。現在も子供の急な発熱等で帰宅したりすることも多いのですが、嫌な顔一つせず支えてくれる職場に感謝しています。

女性である以上、たとえ今は妊娠・出産の予定が無くとも、将来的な可能性として考えておくことは重要かと思います。女性医師のキャリアプラン形成は難しいですが、当科であれば安心して研修生活を送ることができると思います。もちろん仕事のやりがいや学問的な面白さも満載です。ぜひ多くの方に当科への興味を持っていただけますと嬉しいです。