血中脂肪酸組成と、糖尿病の病態・合併症および内臓脂肪との関連性についての研究

1.研究の意義・目的

糖尿病の病態(血糖値が上がる理由)や合併症(動脈硬化症など)は、身体(からだ)に蓄積した脂肪と関係することが明らかになってきています。蓄積する脂肪は、その蓄積部位により、皮下脂肪・内臓脂肪・臓器内脂肪などと呼ばれます。内臓脂肪は、腹腔内(お腹の中)の腸の周囲にある腸間膜という所に貯まる脂肪で、糖尿病やメタボリック症候群において、インスリン抵抗性(インスリンの効きが悪くなること)や動脈硬化症の発症・進展と深く関わっています。また、臓器内脂肪とは、肝臓・筋肉・膵臓などの臓器に貯まる脂肪のことで、肝臓に脂肪が貯まった状態のことを脂肪肝と言います。

脂肪は主に中性脂肪として蓄積し、中性脂肪は脂肪酸とグリセリンから作られます。我々の研究グループでは、この脂肪酸に注目しています。基礎研究(動物実験)では、ある種の脂肪酸を作れない様にしたマウスでは、脂肪肝になってもインスリン抵抗性が起こりにくいことがわかりました。この結果から、我々は蓄積する脂肪の量だけではなく、脂肪酸の種類・組成(脂肪の「質」と呼んでいます)も重要であると考えています。

今回の臨床研究では、血中の脂肪酸組成(24種類の脂肪酸濃度が測定可能)と、糖尿病の病態・合併症および内臓脂肪との関連について検討します。この研究により、ヒトでも脂肪の「質」と関係することが明らかとなれば、基礎研究の成果が臨床(患者様の診療)に生かせる可能性が高くなります。具体的には、脂肪の「質」を変える様な、食事・運動・薬物療法を開発することにより、糖尿病を改善することが可能になるかもしれません。


2.方法
 
20094月から20123月まで、筑波大学附属病院内分泌代謝・糖尿病内科に入院した糖尿病患者さんのうち、血中脂肪酸分画が測定された患者様の診療録と検査結果を使用します。具体的には、年齢、身長、体重、血圧、糖尿病合併症、服薬歴、既往歴、血糖・脂質検査所見、血液生化学検査、大動脈伝達速度、頸動脈及び腹部超音波所見、体組成(体脂肪率、筋肉量など)、内臓脂肪面積などです。研究では、血中脂肪酸組成と強く関連する検査項目について解析する予定です。
 この臨床研究のために実施される検査はありません。診療に必要な検査が保険診療の範囲内で実施されます。このため、上記に記載されている検査がすべて実施されるわけではありません。

3.研究機関名・研究者名

 研究代表者

  筑波大学医学医療系 内分泌代謝・糖尿病内科 講師 矢藤 繁


3.保有する個人情報に関する利用目的

保有する個人情報は、本研究のみに使用し、その他の目的に使用されることは一切ありません。


4.個人情報の開示手続き

診療情報は、名前や住所などがわからないよう匿名化した上で、研究に利用します。住所、氏名、連絡先など個人が特定されることにつながる情報については、一切開示しません。


5.保有する個人情報の問い合わせ・苦情等の連絡先

筑波大学大学院人間総合科学研究科 内分泌代謝・糖尿病内科

矢藤 繁

305-8575

茨城県つくば市天王台1-1-1

電話:029-853-3053 (内分泌代謝・糖尿病内科オフィス、平日8:3017:30

   029-853-3110 (夜間・救急受付、上記以外の時間帯)

    ※担当医師を呼び出してください。